ファクタリングFactoring

2023.06.14

将来債権とは?ファクタリングに活用できるか否かを解説します!

売掛債権をファクタリング会社に譲渡し、その対価として現金化する、いわゆる売掛債権の流動化による資金調達方法がファクタリングなのですが、この、売掛債権の流動化には利用できる債権や利用できない債権などがあるのでしょうか。

特に、昨今は2006年の紙の手形の正式な廃止より、これまで手形取引が主流であった業界も、売掛債権が主流の取引に変化してきています。

今後ますます主流になっていく掛け取引によって発生する債権の中には、将来債権と呼ばれる、将来的に売掛債権として確定する予定のものなども存在します。

この記事では、そんな将来債権がファクタリングに活用できるのか、詳しく解説していきます。
現在ファクタリングを検討されている事業者の方や、今後の利用を検討されている事業者の方などは、是非この記事をご一読頂き、将来債権を含む債権の種類や、それぞれの債権がファクタリングに利用できるか否かなど、ご確認頂けましたら幸いです。

一般的な債権の種類

さて、本稿では初めに将来債権含む、一般的に現在の掛け取引の中で発生する債権の種類に関して、詳しく解説していきます。
主な債権の種類としては、下記になります。

・確定債権
・仕掛債権
・給与債権
・将来債権
・不良債権

では、一つずつ解説していきます。

確定債権

確定債権とは、売掛先企業に商品やサービスの提供が既に完了しており、入金額や入金日などの確定している債権の事を指します。
いわゆる掛け取引で用いられる売掛債権のほとんどがこの確定債権であり、ファクタリングで用いられているのは、ほとんどが確定債権になります。

尚、一旦確定債権として入金額や入金日が決まっていたとしても、その後に商品やサービス提供に際して不備が発生した、等の理由で見直しになった案件の債権に関しては、確定債権にはなりません。

仕掛債権

仕掛け債権とは、商品やサービスの受注は確定しているものの、提供時期がまだ先で、現状は提供までが完了していない案件の債権の事を指します。

見積書や発注書で入金額に関する言及があったとしても、サービスの提供自体が完了するまで、実際の入金額としては確定していないようなケースは、確定債権ではなく仕掛債権として取り扱われます。

給与債権

給与債権とは、会社との雇用契約に基づき、労働者が雇用主から得ることが出来る賃金を、債権と捉えた状態のものになります。

例えば会社と労働者の間でのトラブルや、税金の支払い等に問題がある場合に、給与を差し押さえられたとします。

このような差し押さえ状態の給与は債権とみなされますので、差し押さえられた労働者の賃金などを、給与債権と呼んでいます。

将来債権

将来債権とは、継続的な企業間の取引が確定的な状況において、将来的にも継続的に、且つ定期的に発生する債権の事を指します。

例えば、よくあるケースとしては企業間取引においての年間契約など、発注書や請求書のほかに双方で年間契約の取り交わしなどが確認できる、継続的、且つ定期的な取引が将来債権に該当します。

コンサルティングの契約や、製造業の卸の契約などを代表として、企業間取引において将来的な継続を取引開始時に約束した契約の事を、将来債権と呼びます。

不良債権

不良債権とは、確定債権が売掛先企業の倒産などによって回収不能になった債権の事を指します。
不良債権化してしまうと、売掛金が入金される見込みは非常に低くなります。

ファクタリング会社のほとんどが確定債権のみ対象

現在のファクタリング業界において、対象となる債権は将来債権などを含まない、確定債権となっています。
ファクタリングにおいて取り扱い可能な債権は、原則的に額面が確定した債権のみとなっています。

ファクタリング業者は債権の買取を実施するにあたって、債権の金額が確定していなければ買い取り金額を確定することもできませんので、現状は確定債権の買取りが原則となっています。

しかしながら、確定債権に限りなく近い債権として、将来債権の存在があります。
将来債権は前述の通り、確定こそしていないものの、既に別紙の契約書などをエビデンスとして、将来的に確実に債権になる見込みが確認できている債権の事を指します。

2020年に民法改正により将来債権も可能に

2020年の民法改正により、将来債権も買い取り対象に含むファクタリング会社が新たに参入しつつあります。
次項より、将来債権を活用したファクタリングに関して詳しく解説していきます。

将来債権でのファクタリング

前述の通り、2020年の民法改正によって将来債権の譲渡性に関して見直されたことをきっかけに、将来債権を取扱うファクタリング会社が参入しつつあります。

将来債権を使ったファクタリングとは、たとえば保有する500万円の売掛債権を現金化する場合、100万円のみファクタリング会社に売却し、残りの400万円は将来発生が予定される将来債権から売るといった流れになります。

この場合、100万円ずつ4ヶ月間で支払いを実施していく事となりますので、手元資金は一時的にかなり潤う形になります。

将来債権でのファクタリングのメリット

現状ほとんどの会社では、確定債権のみがファクタリングにおいて買取対象とされています。
不確定要素が強い将来債権の買取は、ファクタリング会社にとってかなり大きなリスクを背負う事になりえるからです。
しかしながら、将来債権のファクタリングを利用することが出来れば、大きなメリットを享受することが出来るようになります。

本稿ではそんな将来債権でのファクタリングのメリットを詳しく解説していきます。
具体的なメリットとしては、下記になります。

・資金調達額が大きくなる
・資金繰りの改善効果が上がる

では、一つずつ解説していきます。

資金調達額が大きくなる

将来債権をファクタリングすることによって、事業者は資金調達で得られる金額が大きくなるメリットを享受できます。
本来は確定債権でのファクタリングがメインになりますので、事業者がファクタリングで得られる最高額は、事業者の月商までに限られます。

しかしながら、将来債権までファクタリングすることが出来れば、事業者はファクタリングによって月商以上の資金調達が可能になります。

資金繰りの改善効果が上がる

確定債権のみのファクタリングでは、一度の債権の買取は最大でも月商までに限られますので、一度のファクタリングだけでは希望する資金調達額に満たないケースも多いでしょう。
このようなケースで、将来債権まで対象に含むファクタリングが実施できれば、数カ月先の将来的に発生する売掛債権も先んじて現金化することが出来ますので、一時的な緊急の資金ニーズだけではなく、支払いと入金のサイクルそのものを物理的に改善することが出来るようになり、資金繰りの大幅な改善が見込めます。

纏まった資金を将来債権まで含めて調達することで事業の拡大や設備投資に活用できますので、これまでの確定債権のみのファクタリングよりも、将来債権のファクタリングは効率的な資金繰りが実現できると言えるでしょう。

将来債権でのファクタリングのデメリット

一方で、将来債権のファクタリングには、当然ながらデメリットも存在します。
本稿では。そんな将来債権のファクタリングがはらんでいるデメリットに関して、詳しく解説していきます。

主なデメリットとしては、下記になります。

・手数料が高い
・審査が厳しい
・取扱業者が少ない

手数料が高い

将来債権のファクタリングは、ファクタリング会社にとって不確定要素の多い、確定前の債権を買取するため、当然ながら手数料は高く設定されます。
手数料が確定債権より高くなる点は、将来債権のファクタリングを行うデメリットと言えるでしょう。

審査が厳しい

前述の通り、将来債権のファクタリングは、ファクタリング会社にとって不確定要素の多い、確定前の債権を買取するため、審査もかなり厳しくなるでしょう。
売掛先としては、信用度の高い大企業に限られると想定されますし、第三者から見て明らかに継続することが見て取れるような将来債権でなければ、買取の審査通過は非常に難しいと言えます。

取扱業者が少ない

取扱業者が極端に少なくなることも、将来債権を活用したファクタリングのデメリットと言えるでしょう。
現状は民法改正から日が経っておらず、これまで解説している通り、将来債権のファクタリング自体が、ファクタリング会社にとってかなりリスクの高い方法であることは明らかです。

そのため、例えば大口の確定債権を毎月同じファクタリング会社に譲渡している場合などで、ファクタリング会社が明らかに来月も同じ債権の譲渡があると考えられるケースなど、現状はこのような状況で、初めて将来債権のファクタリングが検討されるレベルとみておくのが妥当と言えるでしょう。

将来債権のファクタリングは、まだごくわずかな会社しか実施していないので、取扱業者が少ないデメリットがあります。

ファクタリングにおける、将来債権の活用に関してのまとめ

この記事では、将来債権を含む、掛け取引で発生する様々な債権に関して詳しく解説してきました。
そして、将来債権でのファクタリングにおいての今後の可能性や、メリット、デメリットに関しても解説しました。

将来債権のファクタリングは、利用者にとっては資金調達額が向上して資金繰り改善の効果が期待できる一方、ファクタリング会社のリスクが高まるため、審査が厳しく、手数料も高く設定されるデメリットがあります。

この記事をご一読頂いた事業者様は、先ずは確定債権でのファクタリングをご検討頂けましたらと存じます。

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