ファクタリングFactoring

2023.05.19

ファクタリングとABLって何が違うの?
ファクタリングとABLの違いや
オススメの利用シーンについて解説します

近年、ファクタリングとよばれる資金調達方法が中小企業や個人事業主の方を中心に流行しています。

ファクタリングとは、売掛債権を期日前に売却することで早期に現金を調達できるサービスです。

実は、このファクタリングと似たABL(売掛債権担保融資)とよばれる資金調達手段も存在するのです。

ファクタリングとABLは、売掛債権を活用するといった点においては、同じような意味に捉えられがちですが、実際の本質的な部分を比較すると、全くの別物であることがわかります。

今回の記事では、ファクタリングとABLの説明をした後に、この2つの違いについて解説します。また、ファクタリングとABLそれぞれの利用に適したシーンも紹介します。

ファクタリングとは?

まずはファクタリングについて解説します。

冒頭でも説明しましたが、ファクタリングとは、売掛債権を期日前に売却することによって資金を調達する即金性の高いサービスです。

ファクタリングは即日での資金調達も可能であり、企業の資金繰り向上や急な資金不足に対応することが出来る点が魅力的です。

ファクタリングには2種類の契約形態があり、それぞれでメリット・デメリットが異なります。概要は以下の通りです。

・2社間ファクタリング→ファクタリング利用者とファクタリング会社の2社間で行われる契約形態
●メリット…売掛先企業に知られずに資金調達が可能、即日現金化の可能性が高い
●デメリット…手数料が割高

・3社間ファクタリング→ファクタリング利用者とファクタリング会社、売掛先企業の3社間で行われる契約形態
●メリット…手数料が安い
●デメリット…売掛先企業に資金調達を行った旨が通知される

このようにファクタリングの中にも種類が存在し、その選択肢によって得られる利便性に違いがあることが分かります。

では、売掛債権を活用して資金調達をするファクタリングに似ていると言われるABLは一体どのような資金調達方法なのでしょうか。

ABL(売掛債権担保融資)とは?

ABLとは、「Asset Based Lending」を略したもので、売掛債権担保融資とも呼ばれます。
その漢字の通り、売掛債権を担保に「融資」を受ける手段です。

また、融資なので会計処理上では「負債」扱いになります。

仮に、債務者が返済不可の状況に陥った場合に、売掛債権を担保としてお金に換金し、補填する仕組みとなっています。

審査には、債務者の信用情報も関わってきます。担保とする売掛債権の価値がどれだけ高くても、銀行側にとって債務者へ不安要素があれば、審査に通らない場合があります。

また、その信用情報をもとに融資可能額、利息が定められます。

以上が、ABLの説明でした。
では、実際にファクタリングとABLの違いには一体どのようなものがあるのでしょうか。

ファクタリングとABLの違いについて

ファクタリングとABLの違いは以下の通りです。

・契約形態
・会計処理の扱い
・審査の難易度
・審査で重視するポイント
・売掛先への通知の有無
・資金の調達スピード

それぞれを詳しく解説していきます。

①契約形態

まず、ファクタリングとABLは売掛債権を活用している点は共通項として挙げられますが、その契約形態が異なります。

ファクタリング:債権譲渡取引
ABL:金融機関による融資

ファクタリングは、「債権の売買」です。利用者が所有している売掛債権をファクタリング会社に売却し、債権金額から手数料を差し引いた資金を調達することができます。

対して、ABLは「融資」なのです。売掛債権は担保として扱われ、定められた融資金額を調達することができます。

②会計処理の扱い

ファクタリングとABLは会計処理の段階でも違いがあります。

ファクタリング:負債扱いにならない
ABL:負債扱いになる

ファクタリングは売掛債権の売却にあたるので、手数料が発生する「売買契約」や「譲渡契約」といった項目として処理されます。
そのため、キャッシュフローに影響を与えることはなく、資金繰りの向上に効果がのぞめます。

対して、ABLは融資ですので、会計上では借入金となり、負債として扱われます。

③審査の難易度

ファクタリングとABL、両者とも利用するには審査が必須です。
ですが、その審査通過の難易度が異なります。

ファクタリング:審査に通過しやすい
ABL:審査に通過しにくい

ファクタリングは、ABLなどの融資と比較すると審査に通過しやすい傾向にあります。
一方で、ABLは審査のハードルは高くなります。ファクタリングは売掛債権の額しか調達できないですが、ABLの審査に通過できれば、その分大きな額を借り入れることができます。

④審査で重視するポイント

ファクタリングとABLの審査基準のポイントの観点も異なります。

ファクタリング:売掛先の信用度
ABL:債務者の信用度

ファクタリングの審査には、利用者本人の信用度はあまり関係ありません。売却する売掛債権の取引先の信用度が重視されるのです。

つまり、極論、ファクタリングを利用するにあたって、赤字決算が続いていたり、税金を滞納していたりしていたとしても、売掛先の企業に信用があれば、ファクタリングの審査に通過することができるのです。

対して、ABLも共に売掛債権を活用する資金調達ですが、その売掛債権が審査において重要視されません。
ABLは融資であるため、申込者自身の信用情報が最も重要となります。そして、担保の市場価値が算出され、総合的に判断されます。

⑤売掛先への通知の有無

売掛先との債権で資金調達を行った旨の通知の有無は非常に大切なポイントでしょう。
「資金調達を行った」ことを知られてしまえば、資金繰りに困っていると勘ぐられてしまう可能性もあります。

ファクタリング:売掛先に利用を知られない(2社間ファクタリング)
ABL:売掛先に利用を知られる

ファクタリングにおいて、2社間ファクタリングという契約形態を選択すれば、ファクタリング利用の旨を売掛先に通知されずに、資金調達を行うことが可能です。ですが持ち逃げのリスクなどの観点からその分、手数料が高くなります。

対して、ABLは売掛先への通知が原則ですので、資金調達をした旨を知られてしまいます。

⑥資金の調達スピード

ファクタリングとABLでは資金調達完了までの時間にも差があります。

ファクタリング:最短即日で資金調達可能
ABL:早くても2週間、最長で1か月かかることもある

ファクタリングの最大の魅力と言ってもいいのが現金化までのスピードです。AI技術の浸透などにより審査も素早く、条件を満たせば即日での資金調達が可能になります。

ABLの審査において、外部の機関に評価を依頼することもあるため、その分審査に時間を要します。緊急性の高い資金調達には向いていないかもしれませんが、継続的な資金調達にはオススメです。

ABLの利用がオススメのケース

ABLを活用すべきケースは以下の通りです。

・手数料をかけたくない
・資金を前もって用意しておきたい

これらのケースについて詳しく解説します。

①手数料をかけたくない

資金調達を行う上で手数料にお金をかけたくない場合は、ABLの利用をオススメします。

通常、ファクタリングであれば、契約形態等にもよりますが、20%程度の手数料が差し引かれる場合があります。

ですが、ABLであれば、手数料率2.0~4.0%です。ABLを利用すれば、手数料を抑えつつ、資金調達をすることができます。

②資金を前もって用意しておきたい

ABLは前もって資金を蓄えておきたい場合に有効的です。
将来性のある計画のもと、長い目で見た時に大きな運転資金が必要であるケースにABLはもってこいでしょう。

ABLは、ファクタリングと異なり、資金調達に2週間から1か月ほどの時間を要します。
この準備期間を踏まえた資金計画を立て、資金に余裕を持ちましょう。

ファクタリングの利用がオススメのケース

ファクタリングを活用すべきケースは以下の通りです。

・現金が早急に必要である
・資金繰りが悪化している
・売掛先に資金調達を知られたくない

それぞれのケースを詳しく解説します。

①現金が早急に必要である

ファクタリングは、即日対応も可能です。
「明日、現金が欲しい!」こういった願いも叶えることができます。

ですが、ファクタリングで即日資金調達を実現するにはいくつかの気を付けるべきポイントがあります。

・2社間ファクタリングを利用する
・午前中に申し込む
・オンラインファクタリングを利用する
・必要書類を事前に用意する

以上の4つのポイントに注意することで、売掛債権の即日現金化が可能です。
ファクタリングは緊急性の高い資金不足に適している資金調達手段です。

②資金繰りが悪化している

先述のとおり、ファクタリングは「負債」扱いになりません。
つまり、資金繰りが悪化している場合、負債を増やさずに資産を増やすことが出来るファクタリングを利用すれば、資金繰りは向上します。

キャッシュフローなどの改善にもつながります。
資金繰りに不安を抱えている方はファクタリングの利用の検討をオススメします。

③売掛先に資金調達を知られたくない

「資金調達を行った」という事実は、売掛先にとってはマイナスのイメージとして捉えられることが多いです。

資金調達をする=資金繰りがうまくいっていない、お金が足りていない

これらを売掛先が感じとってしまうと、最悪の場合、契約破棄になることもあるかもしれません。

このような結果を避ける為、ファクタリング、その中でも2社間ファクタリングを選択し、利用することで、売掛先に通知をせずに資金調達をすることができます。

ファクタリングとABLのまとめ

ここまでで、ファクタリングとABLについてそれぞれの説明、違い、利用が好まれるケースについて解説しました。本日の記事をまとめると以下の通りです。

≪ファクタリング≫
売掛債権の売却によって、期日前に現金化を図る資金調達手段。
≪ABL≫
売掛債権などの動産を担保に融資を受ける資金調達手段。

●ファクタリングとABLの違い
・契約形態
・会計処理の違い
・審査の難易度
・審査で重視するポイント
・売掛先への通知の有無
・資金の調達スピード

●ABLが好まれるケース
・手数料をかけたくない
・資金を前もって用意しておきたい

●ファクタリングが好まれるケース
・現金が早急に必要である
・資金繰りが悪化している
・売掛先に資金調達を知られたくない

ファクタリングとABLについてご理解いただけたでしょうか。
企業の状況によって資金調達手段は様々です。今回の記事で紹介したファクタリングやABLといった手段も視野にいれ、皆様にとって最適な資金調達を実現できることを願っています。

最近の投稿

カテゴリー

人気記事

まだデータがありません。

\お電話でのお問合わせはこちらから/

0120-843-075

平日 9:00~19:00

\フォームからのお問合わせはこちらから/

お問い合わせお問い合わせ

24時間いつでも受付ております。
お気軽にお問合わせください。