コロナ渦以降、事業の資金繰りにお悩みの事業者様は多いのではないでしょうか?
社会情勢の変化による需要の多様化、最近だとロシアウクライナの紛争の影響で半導体の輸入が困難になるなど、業界や業種を問わず、多くの事業が転換期となっています。
そんな中、事業の資金繰りの悪化を食い止めてくれるのがファクタリングです。
ファクタリングは事業者が保有する、決済前の売掛債権を最短即日で現金化する新しい資金調達方法です。
本稿ではそのファクタリングの2種類の方法である「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の解説と、特に「3社間ファクタリング」の仕組みやメリット、デメリットに関して解説していきます。
資金繰りの改善や、早めの資金調達を検討されている事業者様は是非、最後までご一読頂き、3社間ファクタリングをご検討頂けましたら幸いです。
3社間ファクタリングの仕組み
3社間ファクタリングとは、ファクタリングの利用者、ファクタリング会社、売掛先の3社間で売掛債権の売買を実施する方法です。
大まかな仕組みとしては、下記の手順で売掛債権が売買されます。
1.ファクタリング会社へ相談・申し込み
2.買取金額の見積もり・提示
3.ファクタリング契約の締結
4.売掛金の現金化・入金
5.売掛先から売掛金をファクタリング会社へ支払い
3社間ファクタリングは、上記5.の売掛金の支払いを、利用者ではなく売掛先が直接ファクタリング会社へ行います。
2社間ファクタリングとの違い
前述の通り、3社間ファクタリングはファクタリングの利用者、ファクタリング会社、売掛先の3社間で売掛債権の売買を実施する方法です。
冒頭で御話した通り、ファクタリングには「2社間ファクタリング」と、前述の「3社間ファクタリング」の2種類の方法がありますが、本稿では2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いを解説していきます。
2社間ファクタリングは、ファクタリングの利用者とファクタリング会社の2社間で売掛債権の売買を実施する方法です。
違いとしては、3社間ファクタリングの場合は、ファクタリング会社への売掛金の支払いを売掛先が直接ファクタリング会社へ行うのに対し、2社間ファクタリングの場合は利用者が売掛金の回収後、ファクタリング会社へ支払う事が大きな違いです。
又、当然ながら3社間ファクタリングの場合は3社間で契約を締結するのですが、2社間ファクタリングの場合は売掛先が関わらないため、ファクタリング会社と利用者の2社間で契約を締結します。
細かい部分で言うと、3社間ファクタリングは主に銀行系や金融系の大手ファクタリング会社が提供しているのに対し、2社間ファクタリングは独立系と呼ばれる中小規模の企業が提供している事が多い点も違いと言えます。
3社間ファクタリングのメリット
さて、これまでは3社間ファクタリングの仕組みや、2社間ファクタリングとの違いを解説してきました。
本稿では、そんな3社間ファクタリングのメリットを詳しく解説していきます。
手数料が安い
3社間ファクタリングのメリットとして、手数料が安い点が挙げられます。
前述の2社間ファクタリングの手数料相場が10%~30%なのに対して、3社間ファクタリングは1%~9%となっており、手数料相場の差は歴然です。
この、3社間ファクタリングの手数料相場が安い理由なのですが、前述の通り3社間ファクタリングには、売掛先が契約に関わる点が非常に大きく影響しています。
3社間ファクタリングの場合は売掛金を売掛先が直接ファクタリング会社に支払うのですが、これはファクタリング会社側から見ると「貸し倒れリスク」が非常に低い状態と取れます。
そのため、2社間ファクタリングよりも3社間ファクタリングの方が、手数料相場は非常に安く設定されています。
手数料の安さは3社間ファクタリングならではのメリットと言えるでしょう。
審査に通りやすい
審査に通りやすい点も、3社間ファクタリングのメリットと言えるでしょう。
前述の通り、ファクタリング会社が最も恐れているのは、売掛債権が支払われず、不良債権化してしまう、いわゆる「貸し倒れリスク」になります。
そのため、最初からファクタリングの契約締結時に売掛先もあわせて契約するとなれば、当然ファクタリング会社側からしても、貸し倒れリスクが非常に低い契約を締結することが出来る状況と取れます。
そのため、3社間ファクタリングは利用者にとっても審査に通りやすく、ファクタリング会社としても貸し倒れリスクが低い契約を締結することが出来るのです。
審査に通りやすい点も、3社間ファクタリングならではのメリットと言えるでしょう。
利用者が支払いしなくても良い
利用者が支払いをしなくても良い点も、3社間ファクタリングのメリットと言えます。
先程の3社間ファクタリングの仕組みの解説時に上げた通り、3社間ファクタリングは最終的に売掛金を利用者ではなく、売掛先が直接ファクタリング会社に支払います。
そのため、利用者としても売掛金の回収後にファクタリング会社へ支払いを実施する必要性がありません。
利用者としては、3社間ファクタリングの場合は、売掛金の入金後までファクタリング会社への支払いを工面するための資金繰りを考えなくても良いため、利用者が支払いをしなくても良い点は、3社間ファクタリングのメリットと言えるでしょう。
ファクタリング会社の信頼度が高い
ファクタリング会社自体の信頼度が高い点も、3社間ファクタリングのメリットと言えるでしょう。
2社間ファクタリングとの違いを解説した際に少し触れたのですが、3社間ファクタリングを提供しているファクタリング会社の特徴としては、大手銀行系企業や消費者金融系の、いわゆる大手企業が多いです。
又、ファクタリング自体が最近普及した資金調達方法のため、現状は法整備が出来ていない状況です。
そのため、前述の通り手数料もあくまで「相場」でしかなく、貸金業法や利息制限法のような法整備がされていないため、中には手数料相場を大幅に上回る手数料を請求してくる悪徳業者も存在しています。
このような状況のファクタリング業界の中で、3社間ファクタリングを提供している会社は基本的に銀行系や金融系大手企業になりますので、悪徳業者の可能性は限りなくゼロに近いと言えるでしょう。
取引を実施するにおいて信頼度が高い点は、3社間ファクタリングのメリットと言えます。
3社間ファクタリングのデメリット
さて、ここまでは3社間ファクタリングのメリットに関して詳しく解説してきました。
本稿ではそんな3社間ファクタリングのデメリットに関して、詳しく解説していきます。
3社間ファクタリングにも少なからずデメリットはありますので、メリットとデメリットの両面を理解して頂けましたらと存じます。
審査に時間がかかる
審査に時間がかかる点が、3社間ファクタリングのデメリットと言えるでしょう。
3社間ファクタリングは、利用者、ファクタリング会社、売掛先の3社間で売掛債権の売買を実施しますので、信頼度は高いものの審査にはどうしても時間がかかってしまいます。
そのため、よくファクタリングの謳い文句として言われている、「最短即日で現金化」は、3社間ファクタリングの場合は非常に難しいです。
ファクタリングのニーズとしてはやはり、最短即日で売掛債権を現金化したいという思いが強いかと思いますが、3社間ファクタリングの場合はそのニーズには対応することはほぼ不可能です。
審査に時間がかかってしまう点は、3社間ファクタリングの明確なデメリットと言えるでしょう。
売掛先の協力が必須
事前に売掛先の協力が必須な点も、3社間ファクタリングのデメリットとなります。
ファクタリングは経済産業省も推奨している資金調達方法なのですが、やはり売掛先の目線から見ると売掛債権を売却したいという状況は、資金繰りが上手くいっておらず経営状況が悪化していると判断される可能性が高いです。
もちろん売掛先との関係値にもよるのですが、上記を理解してくれた上でその後の取引状況にも支障をきたさない関係値の取引先を探すのは、ハードルが高いとも言えます。
売掛先の協力が必須なのは、ファクタリングのデメリットと言えるでしょう。
3社間ファクタリングとは?メリットや2社間ファクタリングとの違いを詳しく解説のまとめ
3社間ファクタリングとは、売掛債権の売買に際して利用者、ファクタリング会社、売掛先の3社間で契約を締結して実施する方法です。
2社間ファクタリングと比較して、審査に通りやすく、手数料相場が非常に低く設定されており、ファクタリング会社の信頼度も高く、利用者が直接ファクタリング会社に売掛金の支払いを実施しなくても良い点がメリットですが、反面、審査に時間がかかる点や売掛先の協力が必須な点が、デメリットとなります。
3社間ファクタリングは、最短即日での資金調達には対応できないものの、信頼できる大手ファクタリング会社と、非常に安い手数料で売掛債権の売買が実施できるファクタリング方法です。
事前の売掛先への協力の要請など、計画性をもって3社間ファクタリングを活用していきましょう。